オリックスのドラフト3位大城滉二内野手(22=立大)が“プロ初安打”で存在感を示した。9日、宮崎春季キャンプで初実戦となる紅白戦に紅組の「1番遊撃」で先発。先頭打者でいきなり左中間への二塁打を放った。難病の潰瘍性大腸炎で入院した安達に代わってキャンプ1軍スタートとなった男が、開幕スタメンをアピールした。

 山崎福の高め直球をとらえた打球は、強い追い風に乗ってワンバウンドでフェンスに到達した。「ストライクは積極的に振っていった。初めての実戦にしては球をよく見られたと思うので良かった」。首脳陣は安達の開幕不在を想定している。遊撃の“穴”は頭の痛い問題。他の選手の台頭が待たれる中で、まずは大城が結果を出した。

 沖縄・興南で甲子園の春夏連覇に貢献し、立大では最多112安打を記録したバットマン。その感性は独特だ。大学時代に後輩に技術指導を頼まれても「あまり深く考えていない。何を教えていいのか分からない」。唯一重視するのはタイミング。「スイングが速くないので、まず速い球にしぼっている。崩されても当てたら何とかなる」。沖縄で言えば「なんくるないさ~」の精神で食らいついている。

 大城に負けじと、遊撃争いに参戦中のドラフト7位鈴木昂平内野手(24=三菱重工名古屋)も「2番二塁」で出場し、3回に左前打。福良監督は「大城、鈴木は実戦向きかな」と評価を与えた。2人は二遊間のポジションを途中で入れ替わったが、無難にこなした。中島もテストされている正遊撃手バトルが本格的にスタートした。【大池和幸】

 ◆大城滉二(おおしろ・こうじ)1993年(平5)6月14日、沖縄県生まれ。小1で野球を始める。興南では2年時に甲子園春夏連覇を達成。立大では遊撃手として1年秋、3年秋にベストナイン受賞。50メートル6秒0。目標は元ヤンキースのジーター氏。昨年引退した谷佳知氏の背番号「10」を引き継いだ。175センチ、71キロ。右投げ右打ち。