焦らずに、万全な状態まで回復させる。左ヒラメ筋(ふくらはぎ付近)炎のため沖縄・久米島の2軍キャンプで調整中の楽天今江敏晃内野手(32)が9日、約40分間のマシン打撃を行った。「痛みは全く感じない。今は体を強化する段階にきている」。ロッテからFAで移籍した期待の新戦力が、実戦モードの練習で今後の巻き返しを約束した。

 鋭い打球が室内練習場のネットに突き刺さる。痛めた左足の不安を全く感じさせないスイングで約40分間、150球を打ち込んだ。今江は「昨日(8日)から始めたんですけど、打つことに関しては全く問題ないです」。故障した当初は、実戦復帰まで4~6週間と見込まれていたが、「3月頭には復帰したいと考えている」と、明確なプランを立てられるほど経過は順調だ。

 「自分の思うとおりに体を動かせている」と言うが、焦りは禁物だ。別メニューながら屋外でノックを受けられるようになったが、三塁から一塁に送球する際の距離感が、完全に体に染み付いていない。「すごく遠く感じました。ノックは久しぶりだったんで」と苦笑いする。守備や走塁、ダッシュなどは足に負担がかかるため、数多くこなすことはできないが、「焦ってもいいことはないんで。自分で気持ちを落ち着かせながらやっています」と前を向く。

 やっとここまできた-。実戦的なメニューを無難にこなす度にそう実感する。ロッテからFAし、期待されて楽天に入団した。自主トレでも広背筋を鍛えるなどパワーアップ。満を持して臨むはずだったキャンプ前日に、故障離脱を余儀なくされた。「すごく残念で悔しかった。初日から声を出したり、元気よくやりたかっただけに、気持ちをすぐに切り替えられなかった」。当初は落胆したが、今では患部は順調に回復し、「治ったらしっかり結果を出す」と実戦復帰後の自分を見据える。出遅れた分は、1軍で必ず取り戻してみせる。【田口元義】