阪神藤川球児投手(35)が16日、宜野座のブルペンで今春キャンプの投手陣で最多となる184球を投げ込んだ。まずは捕手を通常より約1メートル後方に座らせて101球。リリースの確認などを行った後、捕手を通常の位置に戻し、83球を内外角に投げ分けた。

 約1時間の熱投。投げ終えるとギャラリーから拍手も起こった。これまでの投手陣最多だった6日榎田の162球を上回る球数だった。それでも「全然、疲れていない。練習、練習。1つの練習方法。うまくできるといい」。キレのある球を投げ続け、充実の表情だ。9日に110球を投げるなど、先発を見据え、スタミナ強化の日々を過ごす。この日は、徹底的に投げ込んで鍛えた。

 開幕に向け、着実に階段を上っている。「(この球数は)21歳くらい。肩がぶっ壊れたとき以来じゃないかな」と冗談めかして言う。14日紅白戦で2回無失点。最速147キロながら、制球、配球の組み立ては健在だった。この日は14年ぶりの球数だ。かつての守護神は力強く生まれ変わろうとしている。引き揚げ際に「書くことあるでしょ~。(練習試合で)打ちまくっているし」と笑う。明るい表情こそ順調な調整を物語っている。【酒井俊作】