日本ハム近藤健介捕手(22)が、外野手として開幕スタメンを目指すことが8日、分かった。今季は左膝痛の影響で捕手練習ができず、別メニュー調整が続いていた。開幕と同じ舞台でもあるロッテ戦(QVCマリン)から、外野での練習を開始。右翼レギュラー候補は、岡が左膝痛で出遅れ、浅間は腰痛で開幕絶望という状況にあり、昨季打率リーグ3位だった近藤の打撃を生かすためにも、首脳陣はコンバートへと踏み切った。

 不透明だった外野のポジション争いは、突如輪郭を表した。近藤が右翼の開幕スタメン候補として浮上した。3月25日の開幕戦と同じ、8日のQVCマリンでのロッテ戦。外野用グラブを手に、シートノックで右翼の守備位置に就いた。川名外野守備走塁コーチは「(故障で)守備練習が出来ていなかったので、体を動かすという意味です」とはぐらかしたが、開幕を見据え、首脳陣はコンバートに踏み切った。

 近藤はオフに痛めた左膝の影響で、キャンプに入っても捕手練習ができず、大きく出遅れていた。一方で、右翼のポジション争いも、岡が近藤と同じ左膝痛、浅間が腰痛で2月中に戦列を離れた。岡は今日9日のDeNA戦(鎌ケ谷)から1軍に合流できる見込みだが、アピールを続けている石川慎、谷口を含め、絶対的なレギュラー確立には至っていなかった。

 右翼の経験はある。プロ2年目だった13年8月、骨折で離脱した中田の穴を埋めるため、栗山監督がアマ時代にも外野経験のなかった近藤を抜てき。12試合でスタメン出場を果たした。昨季はソフトバンク柳田、西武秋山に次ぐリーグ3位の打率3割2分6厘をマークしており、確実性とパンチ力がある打撃はチームにとっても大きな戦力。指揮官は「あの若さでDHは、得策じゃない」と話しており、近藤の起用法を模索していた。近藤が右翼に入れば、DH大谷との併用も可能になる。

 この日はDHで今季初めてフル出場し、4打席に立った。痛めている左膝の状態は「だいぶよくなっています」と回復傾向にあり、「(打席の)内容はよくなかったけど、ボールは見えていた。早く結果が出せるようにやっていきたいです」と表情は明るい。外野手であれば、膝への負担も少なくなる。

 開幕まで約2週間。「与えられたところでしっかりやらないといけない。チームのためにしっかりと準備をしたい」と話す近藤のコンバートで、打線にはグッと厚みが出てきた。

 ◆近藤とポジション ルーキーの12年は20試合出場も先発出場なし。13年は出場32試合中17試合が先発(右翼12試合、捕手4試合、DH1試合)で打率1割5分2厘。14年は出場89試合中76試合が先発(三塁67試合、捕手7試合、DH2試合)で打率2割5分8厘。躍進した15年は出場129試合中118試合が先発(DH66試合、捕手52試合)で打率3割2分6厘、60打点。