熱パのためにはまず寒パ!? 西武田辺徳雄監督(49)は白い息を吐きながら天に念じた。「どんどん寒くなれ! オリックスは慣れてないだろうからね。地の利だな」。

 24日、開幕前日の全体練習が行われた西武プリンスドームは、正午時点で気温6度。ドーム球場とはいえ、壁面がないため、外気温と同じ真冬並みの寒さだった。選手のコンディションを考えれば暖かい方がいいが、そこは西武。寒い宮崎・南郷で春季キャンプを行い、本拠地の寒さも想定内。選手の耐寒性はすこぶる高い。対して相手先発の金子は、先発したオープン戦3試合全てが京セラドーム大阪。「ウチは寒さに慣れてるからね」。真冬並みの寒さになれば、難敵攻略の突破口が開けるかもしれない。

 もちろん寒さ頼みだけではない。キープレーヤーには最多安打男の名を挙げた。「秋山の出塁がポイントになると思う。盗塁への意欲も高いものがある。いつでも走るぞ、というしぐさをしてくれるだけでも違う」。青森・八戸大の出身だからではなく、昨季4割1分9厘の出塁率の高さと足に期待を込めた。

 開幕2カード目は「何とか倒さないと、こっちに(優勝の)芽が出てこない」と話す王者ソフトバンク戦。勢いをつけて敵地に乗り込むためにもオリックスたたきは必須になる。「明日の(予想)最高気温は11度か…。夜は今日よりもっと寒くなるな」と不敵に笑った田辺監督。寒さを味方につけ、熱パ演出への開幕ダッシュを狙う。【佐竹実】