「ハマのスッパマン」ことDeNAのドラフト4位戸柱恭孝捕手(25)が、12球団新人1号ソロを放った。5回1死、広島福井の内角いっぱいの146キロ直球を振り抜いた。「オープン戦から変化球のヒットが多く、結果球で直球が打てていなかった。1、2戦目は内角でやられていたので割り切ってコースで張っていました」と捕手としての読みが的中。初球を完璧に捉え、右翼席最前列に先制パンチを見舞った。

 2度目の“新人一番乗り”だ。宜野湾キャンプ中の2月13日の今季初実戦となったヤクルト戦でも右越えソロを放った。この時も12球団新人1号だった。「1番っていっても、自分はそんなキャラじゃないんですけどね…」と苦笑い。常に謙虚で人前に出ることを得意としない性格だが、本塁打の直後だけは「よっしゃー!! うれしいですが、全然覚えていません。来た球を打っただけです」と興奮を隠さなかった。

 メモリアルアーチを白星で飾りたかったが、救援陣がつかまり、3点差からの逆転負け。6回途中までを2安打1失点の先発石田に白星をつけることも出来なかった。戸柱は女房役として「自分が(救援陣を)もっと引っ張ってあげられれば…。申し訳ない」と責任を痛感。「勝てれば良かったんですが、負けちゃったので何とも言えない」と記念すべき1号は甘酸っぱい記憶として刻まれた。【為田聡史】