巨人が今季2度目の引き分け。貯金は5のままで首位をキープした。

 先発の菅野は7回まで被安打2、球数も89と完璧。チームでは現2軍監督の斎藤雅樹以来、27年ぶりの3試合連続完封勝ちが視界に入った。しかし菅野は8回、マシソンにマウンドを譲った。

 高橋由伸監督(41)は菅野について「何も言うことはなかった。マメで」と話した。「何とか1点を」と、1回無死一塁から送りバントを指示。5回に村田、小林誠の連続二塁打で奪った1点で十分な援護に思えた。菅野本人も「全体的に内容は良かった。狙ったところにも投げられていました」と認める好調さだっただけに、アクシデントが悔やまれた。

 打線は結局、1得点で終わった。コンディション不良の坂本がこの日もスタメン落ちし、3番に長野を入れるオーダー。イレギュラーな陣容の中で、2番片岡の存在感が光った。

 1、6回とも2球目に送りバントを成功。4回の第2打席は、三塁線突破の二塁打を放った。先頭で迎えた延長12回は、DeNAの抑え山崎康に2ストライクと追い込まれたが、ツーシームを徹底的にカットして粘り、四球に持ち込んだ。続く代打の松本が送りバントを決め、1打サヨナラの場面まで持ち込んだ。

 片岡は守備でもいい仕事をした。延長10回2死一、二塁の場面で、DeNA倉本の中前に抜けそうな打球をポジショニングよく捕球。好判断で三塁に投げ、走者を挟んでアウトとし、勝ち越しを阻んだ。ベンチが求める役割を忠実にこなす。誰もが目指しているが、遂行することは難しい。高い能力をあらためて示した。

 坂本がスタメンに戻れば、遊撃のクルーズが二塁に戻るか。三塁村田は好調をキープしているし、片岡の出場機会は狭くなるのか…。そんな思いを巡らせることができるのが巨人。逆に見れば、坂本が強攻出場する必要性を感じさせない。簡単に言えば、層の厚みが1枚も2枚も上、ということだ。