これぞ4階級特進や! 阪神原口文仁捕手(24)が27日、育成から支配下登録され即日、出場選手登録。しかも、途中出場し、プロ初安打もマークした。5回2死一塁。代打で初打席に立つ。ここでは中飛に倒れたが、鋭い打球に硬い表情だった金本監督の表情も少しほころんだ。その後は初マスクをかぶると、8回の第2打席。巨人田口の132キロ直球を左翼前へ運んだ。プロ初安打だ。

 伝統の一戦でデビューした。今回の巨人3連戦で着用する「輝流ライン」ユニホームは新背番号「94」が間に合わず、山田2軍バッテリーコーチの背番号82のユニホームを身にまとった。試合後は「これ以上ないうれしさと悔しさと、ユニホームのインパクトの面でも記憶に残っていくと思う。今日を忘れないように成長していきたい」と話した。

 驚きの1軍合流が決まったのは前日26日のことだ。金本監督が鳴尾浜に足を運び練習試合を視察。その試合で原口は4打数1安打4打点。この活躍を見た指揮官は「即決よ」と言った。プロ入り7年目。12年に腰痛で戦線を離脱すると、同年オフに育成契約選手になった。「何度もくじけそうになったよ」と言いながら、夢へ向かって誰よりもバットを振ってきた男の旅が始まった。【梶本長之】

 ◆原口文仁(はらぐち・ふみひと)1992年(平4)3月3日、埼玉県生まれ。帝京から09年ドラフト6位で阪神入団。13年から育成契約。今季の春季キャンプでは2軍の高知・安芸スタートも最終クールに1軍の宜野座キャンプに合流。オープン戦でも序盤は1軍入りしていた。182センチ、86キロ。右投げ右打ち。