金本阪神の第2関門は好投手攻略となった。快晴のゴールデンウイーク。4万6392人が集まった甲子園にDeNAのエース井納が立ちはだかり、阪神打線は打ち崩せない。7回で無得点に終わったのが最後まで響いた。区切りの30試合目で、3、4月は14勝14敗2分け。勝率5割での通過に金本監督は言う。

 「まだまだ試しながら競争というか、そのなかで自分たちの野球を見つけていく。そんな感じですね」

 16年初陣から1番高山、2番横田を並べるなど、若手を続々と抜てきし、まずは第1関門の開幕を無難に発進した。高山に代えて板山を先発左翼に起用するなど、この日も若い顔ぶれ。30試合で20通り目(投手をのぞく)の先発オーダーで臨んだ。

 1点を追う6回。1番鳥谷が右前打で出塁、大和が今季初めて2番打者の送りバントを決めた。1死二塁。だが若き主砲候補の3番江越が外角低めの変化球をとらえきれず右飛に倒れる。同点機をフイにし井納相手に散発3安打で終わった。

 先発の好投手が壁になる。4月26日巨人戦で高木に抑えられるなど5戦連続で6回以上投げさせ、得点は2点以下にとどまる。指揮官も「今週、先発からろくに点、取ってない。全部、2点以内でしょう。いい投手が来ているけど。去年からの課題だけどね。打てないわね」と表情を曇らせた。上位に進むためにもクリアすべきハードルだ。

 片岡打撃コーチは井納について「ストライク先行で何とか早いカウントでつかまえにいったけど、つかまえきれず打てなかったね」と振り返った。打ち損じ、失敗しても、攻めていったのは確かだ。これまで、指揮官が劣勢で強調してきたのは「何とかする」気持ちだった。完敗を糧にする。工夫を重ね、ワンランク上の戦いを目指す。【酒井俊作】