優勝戦線生き残りをかけた首位攻防戦は、東北福祉大が3-0で東北学院大に先勝した。1回表2死一、二塁、5番浅沼佑亮外野手(4年=日大山形)が先制中前打を放ち、リーグ単独首位の10打点目をマーク。初の個人タイトル獲得にも闘志を燃やした。

 大塚光二監督(48)が「3、4番は打って当たり前、5、6番は返して当たり前」という「当たり前打線」が機能した。「返して当たり前」の浅沼が2安打1打点と活躍。打率も4割5分5厘のリーグ3位に浮上した。前2人の出塁率は3番楠本泰史(3年=花咲徳栄)が7割以上、4番井沢凌一朗(4年=龍谷大平安)も5割を超える。浅沼は「ランナーがいるとやる気が出る。いつも塁に出てくれるので打てば打点になる」と感謝した。

 3年春からレギュラー入りも、まだ個人タイトルに縁がない。昨秋はリーグ6位の打率3割2分1厘。外野手で3位、右翼手で1位だったが、同位置に最多打点賞の選手がいてベスト9に選ばれなかった。昨秋は明治神宮大会で自身初の全国を経験。立命大に惜敗したが、ドラフト1位で巨人入りした桜井俊貴と対戦。リーグ戦でも先輩の佐藤優(東北福祉大-中日)や熊原健人(いずれも22=仙台大-DeNA)らプロ入り投手を間近にして意識を高めた。日大山形3年夏は県準優勝で甲子園出場を逃したが、1学年下の弟孝紀さん(日大3年)は県勢最高の甲子園4強。浅沼は「神宮に行って勝ちたい」と弟に負けじと、自身初の全日本大学選手権出場へ突き進む。【佐々木雄高】

 ◆浅沼佑亮(あさぬま・ゆうすけ)1994年(平6)7月11日、山形市生まれ。名北小4年時に名古屋北リトルで野球を始める。山形十中では山形シニアに所属。日大山形では1年春からベンチ入りし、同秋からレギュラー。3年春から4番で同夏の県選手権準優勝。東北福祉大では1年秋にベンチ入りし、2年春にリーグデビュー。3年春からレギュラーで同秋の明治神宮野球大会出場。家族は両親と弟、妹。右投げ左打ち。182センチ、77キロ。血液型A。