食べて、寝て、心身ともに「超変革」せよ。阪神が12日、鳴尾浜の独身寮・虎風荘で1軍の若手野手を対象にトレーナー主催の臨時講習会を開いた。疲れが見えるドラフト1位高山俊外野手(23=明大)や同6位板山祐太郎外野手(22=亜大)プロ7年目で1軍デビューした原口文仁捕手(24)らが約1時間、コンディション管理をみっちり学んだ。

 食べろ、寝ろ! 1軍で活躍するために、自分をしっかりコントロールせよ。午前9時。鳴尾浜で球団トレーナーによる臨時講習が始まった。参加者は高山、板山の新人コンビに陽川、北條、原口と1軍で奮闘する若手5人衆。主な講義内容は「コンディション管理のあり方について」。約1時間の講義に、生徒たちは夢中でペンを走らせた。

 DeNA戦に向け、横浜への移動日となったこの日。午前中の空いた時間を利用して講演が行われた。片岡打撃コーチが「ゴールデンウイークぐらいのこの頃が一番疲れが出るからね」と話していたように、開幕から「超変革」の活躍を続けてきた若手も最近は少々お疲れ気味だった。高山は5月の打率が2割と低迷。板山が9打席、陽川も10打席連続無安打と当たりが止まっている。現状を打破するための60分講義。万全の状態で試合に臨むため、睡眠の取り方や食事法を、しっかりレクチャーされたようだ。

 中でもお手本に挙がったのが、キャプテン鳥谷だった。試合日でも必ず早めに球場を訪れ、ストレッチなど入念に準備する。食事面でも強いこだわりを見せる背番号1の鉄人スタイルに、5人も熱心に耳を傾けたという。講義の途中には、左太もも裏痛からの復帰を目指す西岡が様子を見に来る一幕もあった。ベテラン勢まで注目した講習は、若手にとっては活力を取り戻すための糧になった。

 講習を終えた板山が「コンディションについてです。ためになりましたね」と話すと、高山も「そうですね」と充実の表情で同調した。今日13日DeNA戦が行われる敵地横浜へ移動。高山は「チームが勝てるように少しでも貢献しないと」と、決意を新たに虎風荘を出発した。筋トレに猛練習だけではなく、心と内面を鍛えて、若虎軍団が暴れる。【梶本長之】

<若虎5人衆の今季>

 ◆高山俊 開幕1軍スタートし、10試合連続安打を記録するなど活躍。4月24日広島戦で2号を放った。以降は当たりが止まっている。

 ◆板山祐太郎 4月21日に初昇格。6日ヤクルト戦(甲子園)で決勝打を放つなど活躍し、新人ながらクリーンアップ5番で2試合に先発する。

 ◆陽川尚将 ファームで当たり、4月13日に昇格。4月29日DeNA戦(甲子園)でプロ1号となる決勝2ランを放つ。現在は10打席無安打。

 ◆北條史也 4月3日DeNA戦(横浜)でプロ1号となる代打本塁打を記録。8日ヤクルト戦(甲子園)ではプロ初の猛打賞。

 ◆原口文仁 4月27日に支配下登録され、即出場選手登録。巨人戦(甲子園)の代打で即デビュー。ここまで7試合連続で先発マスクをかぶる。