今度はマテオか。前日25日の藤川に続き、守護神も同点の9回裏を抑えられず、阪神が2日連続のサヨナラ負けだ。バレンティンへの死球が乱闘寸前のもみ合いになる大乱調。1死満塁で畠山に中前打を浴び、5戦連続失点の2敗目だ。抑えが利かない借金転落にも金本監督は代わりはいないとむっつり。先発藤浪は2本塁打を浴び7回5失点で、6試合連続で勝ちがつかない苦境に陥った。

 マテオは中前に抜けた畠山の打球をぼう然と見送るしかなかった。2試合連続のサヨナラ負け。それも守護神としては物足りない投球内容で、東都の阪神ファンからは「コラ、しっかり投げろや!」と激しいヤジが飛んだ。金本監督は「他にいないじゃん。誰をいかす? 君たちなら誰にいってもらいますか?」と報道陣に逆質問。もどかし過ぎるストッパーの大不振だ。

 同点の9回に登板し、いきなり坂口を四球で出した。「歩かせたくなかった。あれが痛かった」と言葉を絞り出したが、続く山田も左前打。そしてバレンティンへの初球が死球になると両軍がベンチを飛び出し、乱闘寸前のもみ合いとなった。無死満塁。続く川端は前進していた中堅大和へのライナーとなったが、続く畠山に捉えられた。

 マテオは15日DeNA戦から5試合連続の失点となった。16日から4日間、休養に追い込まれた下半身の違和感はまだ残っているのか。復帰して4戦、0で抑えた試合がない。制球できなかったバレンティンへの死球も畠山のサヨナラ打も高速スライダー。指揮官がキャンプで「一級品。見たことない」と絶賛した武器も、今では相手チームのおいしい獲物だ。

 「よかったのはオープン戦と開幕当初ぐらい。あとはずっと良くない。全くキレがないね。(問題は)フォームでしょ。肩の開きとか肘の使い方とか」。監督のため息は深い。前夜サヨナラ負けした藤川は「昨日の球数(15)を考えると」と、右肘への負担を考慮して3連投を回避。不調で降格したドリスもブルペン投球を再開したばかりとなれば…。「今は彼しかいないんだからしょうがない」。同じフレーズを繰り返し、守護神継続を明言した。

 マテオだけではない。この日は福留、ゴメス、原口の中軸に3発が出ても、先発藤浪が守り切れず。ヤクルト3連戦は20得点しながら20失点の投壊で負け越し、再び借金1となった。「歯車がかみ合ってない。でもどのチームも絶対そういう時期がある。今は我慢」。監督は自分に言い聞かせるようにバスに乗り込んだ。【松井清員】