もう負けられない巨人だが、期待の若手・石塚のサヨナラ犠牲フライで連敗を3で止めた。どんな内容でも勝てればいいという試合だったが、内容的に褒められるような試合ではなかった。
内容の悪い選手で真っ先に挙がるのは、4番のダルベックだろう。第1打席は外めの甘い真っすぐを見逃し三振。第2打席は内角のボールゾーンに沈むシンカーを空振り三振。そして第3打席は、真ん中やや低めの真っすぐを見逃し三振した。結果球だけでなく、ストライクゾーンを見逃し、ボールゾーンを空振りするなど、打てそうな気配はしなかった。
戦術もかみ合っていない。同点で迎えた8回裏1死、3番に起用した丸が四球で出塁すると、代走に鈴木大を送った。今の巨人打線はとにかく打てない。まだ同点でありながら好調そうな丸を引っ込めるのだから、なんとしてもこのイニングで勝ち越し点を奪いにいくという戦術だったのだろう。
2死一塁となり、大城の打席の3球目だった。鈴木大が盗塁を仕掛けるが、アウトになって無得点。結果論ではなく、失敗の内容がよくない。カウント1-1で“変化球カウント”ではあるのだが、捕手の戸柱は中腰に構えて高めの釣り球を要求していた。となれば真っすぐの確率は高い。しかし走者の鈴木大はスタートを切った。
投手の中川虎のクイックは1・28。俊足の鈴木大ならセーフになるタイムだった。これでアウトになるのだから、もう少し速くスタートを切る、1足分でもリードを広げるなどの工夫はあっていい。タッチされる瞬間もかわそうとせずに、思い切って足を伸ばせばセーフだったかもしれない。
復帰した戸郷ももったいない失点が多かった。初回は慎重になりすぎ2四球。エラーがなければ無失点だったが、失点につながった。2回も林の盗塁を無警戒にして得点につなげられてしまった。投げている球はよかっただけに悔やまれる失点だった。
とはいえ試合はサヨナラ勝ち。負ければ首位・阪神とのゲーム差は5・5に広がるだけに、大きな勝利になった。ダルベックの復調。鈴木大の成長。そして戸郷も次回の登板では、もっと力を発揮できるだろう。この1勝を契機に、チームの勢いを取り戻してほしい。(日刊スポーツ評論家)




