巨人が危険水域に入ってきた。10年ぶりの7連敗と歯止めが止まらない。4月28日に築き上げた最大貯金7は借金2まで目減りした。5月14日のヤクルト戦での7得点を最後に5得点以上を奪えていない。4回の4失点で勝率がグッと下がり、9回の2失点でほぼ勝負は決した。最終回に2点を返し、ファイティングポーズは取り続けた。瀬戸際の粘りに選手の戦う意思を感じたかと聞かれた高橋監督は「まだ、というか普通に感じています。最初から」と言葉を強めた。

 打線の不振は深刻だ。3回2死二塁からクルーズの二ゴロが北條の悪送球を招く幸運にも恵まれ、1点先制。長野が適時打で続き、連敗中と違う流れを感じさせた。だが大きな流れに持ち込めない。左腕岩崎の直球に詰まらされる。5回、クルーズの中堅への大飛球もフェンス手前でおじぎした。好投手に力で押されている感は否めない。

 2年目の大砲候補、岡本が2回に左中間への二塁打で今季初安打。今後への期待を抱かせたが、指揮官は高いハードルを越えることを望んだ。「そのうち1本は出る。ヒット1本を期待して使っているわけではない」と潜在能力の開花を厳しく求めた。

 気が付けば6位ヤクルトとは1ゲーム差。今日29日の阪神戦が交流戦前最後の一戦となるが、連敗が伸びると最下位転落の危機にも直面する。「区切りというよりも明日は明日。悪い流れを何とか切れるように」。強い意思をプレーで表現し、あしき流れを断ち切らなければいけない。【広重竜太郎】