高卒ルーキーもエースもまとめてかかってこい! 今日31日に開幕する「日本生命セ・パ交流戦」で、ソフトバンクはさらなる加速をもくろむ。いきなり中日ドラフト1位左腕小笠原の「奇襲」を受けるが、5番に座る長谷川勇也外野手(31)は「かみついていく」と新人相手にも闘志をあらわ。これまでパ球団のエースを連破してきた戦いで、セの「ホークス包囲網」も打ち破る。

 パ・リーグ首位を独走するソフトバンクが、交流戦開幕で奇襲を受けた。中日の予告先発が発表され、ドラフト1位左腕の小笠原がプロ初先発のマウンドに上がることになった。工藤監督は「(データは)ない。どうしろって、言うんだ? 分かっていれば、うちの(高橋)純平をぶつけたのに-。去年の甲子園を見て、球が速く、力のあるボールを投げる印象だ。力負けしないようにしたい」と冗談めかしながらも、受けて立つ構えを見せた。

 今季のリーグ戦では、相手のエース格と対戦する機会が格段に増えた。楽天則本、日本ハム大谷や有原、オリックス金子…。強敵をことごとく破り、独走モードを形成。交流戦でもセ球団が「ホークス包囲網」で臨む可能性はある。エース対決だけでなく、今回のような奇襲もある。それでも選手に油断はない。長谷川は言った。「すぐに通用するだろうなと1年前から感じていた。探りながらだとはまってしまうので、かみついていくぐらいでいきたい」。序盤は様子見を決め込む考えはない。高卒ルーキーが相手でも、全力でKOを狙いにいく決意だ。

 ローテーション通りにいけば、巨人菅野や広島黒田、阪神岩貞らと対戦する可能性がある。それだけでなく、今回敵地で戦うのは熱狂的なファンがサポートする阪神、広島。そして日本シリーズの再現となるヤクルトだ。工藤監督は「(敵地は)盛り上がると思う。熱気に負けないようにしないと。セ・リーグ用の野球はできない。ホークスの野球ができれば、勝っていける」と必勝を誓った。今季は鬼門といわれたQVCマリンでロッテに5戦全勝。ビジターでは15勝5敗2分けと、ホーム以上に高い勝率を誇る。

 リーグ戦では2位ロッテに6ゲーム差をつけ、貯金は開幕前史上最多の「18」。交流戦は過去5度の1位を誇る、大の得意だ。歴史的な独走が止まる要素が見当たらない。【田口真一郎】