中日谷繁監督の山田対策は間違っていなかった。皮肉にも、味方打線がそれを証明してしまった。中日は初回に山田に逆転3ランを浴びて一気に流れを失い、大敗した。ジョーダンがすべて本塁打による7失点。一方、打線は同じ3本塁打を放ったがすべてソロ。点差にそのまま表れた。

 戦前、監督は「山田に4本打たれたとしても全部ソロなら4点(で済む)。前に走者を置かないこと」と話していた。前日は2ランに2点二塁打。この日は3ランのあとの4打席もすべて走者を置いて回し、3安打4打点と暴れられた。

 「4番への向かい方があまりよくなかった。対策はしているけど、なかなかうまくハマっていかない」と指揮官は頭が痛い。山田だけ警戒していては抑えられない。ヤクルト打線の厚みに屈したともいえる。

 交流戦ではチーム打率が最下位、防御率がトップだったが、この2試合は正反対。抑えても打てなかった交流戦とは逆の意味で、投打がかみ合わない。谷繁監督は「打ち始めたら投手が打たれる。そういうのは一番チームとしてよくない」と危険な兆候とした。

 3連敗で借金は今季ワーストの5になった。首位の広島とは9ゲーム差。危険水域に入った。【柏原誠】