夏の地方大会は28日に全日程が終了し、甲子園に出場する代表校49校が確定した。各地で取材に当たった担当記者たちによる大会中に「書ききれなかった話」を紹介する。
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東東京137校、126チームの登録選手のうち、最も背の小さかった球児がグラウンド上ではひときわ大きく見えた。上級生たちに引っ張られ、堂々とプレーする姿が頼もしく映った。身長153センチ、体重48キロの淑徳・谷津遼太郎内野手は、1年生ながらサードの定位置をつかむと、機敏さを生かして持ち味の守備で力を発揮。初めての夏にベスト16進出に貢献した。敗れた郁文館戦後には大粒の涙があふれ「先輩たちともっと野球がしたかった」と言葉を振り絞る姿がグッときた。
中学時代に所属した練馬シニアではレギュラーがつかめなかった。「(中3の)夏の最後の大会で負けた時に、僕は控えだったんです。チームが負けたことにも悔しかったけど、試合に出てチームに貢献することができなかった悔しさのほうが印象に残っています」。中学時代の同級生たちに負けたくない気持ちは人一倍強かったから、今大会第3シードに入る淑徳で1年生からレギュラーの座をつかめた。涙にぬれた顔をふいて「この悔しさを糧に一から練習をやり直して、目に焼き付けたこの舞台をイメージしてベスト4以上を達成するために頑張りたい」と前を向いた。身長164センチ、パ・リーグ最小兵の西武滝沢夏央内野手(22)に憧れる球児の高校野球は、まだ始まったばかりだ。【平山連】

