巨人の根津朋将トレーナー(37)が心肺停止となった男性を救助し、迅速かつ適切な救命処置に対して川崎市高津消防署から署長表彰状が贈呈されることが27日、球団から発表された。

 3日に根津トレーナーが川崎市高津区内の路上を歩いていると、前方にあおむけに倒れている50代の男性を発見。近づいて確認したところ、男性は呼びかけに応じず意識もなかったため、居合わせた通行人に119番通報と、現場近くにあるAEDを持って来てもらうように依頼した。

 その後、男性の心肺停止を確認したため、胸骨圧迫を開始。持ってきてもらったAEDパッドを男性に装着したところ、電気ショックの指示があったため、除細動を1回行うとともに胸骨圧迫を継続した。間もなく男性に反応が表れ、呼びかけにも応じたので胸骨圧迫を中断し、気道確保をしながら救急隊が到着するまで救命活動を行ったという。

 根津トレーナーは「男性の方が助かり、社会復帰されたと知り、何よりホッとしております。今回の経験で、一次救命処置である心肺蘇生法、そしてAEDの重要性を再認識しました。トレーナーという職で培われた“知識”と、球団が取り組んでいる社会貢献事業(G hands)による“意識”があったからこそ、今回の行動につながったと思います」とコメント。

 森下消防署長は「根津さんのAEDを使用した迅速適切な応急手当てが、心肺停止状態の男性を社会復帰させるに至りました。知識を有していても、なかなか行動に移すことは難しいと思います。根津さんの勇気ある行動が素晴らしいとたたえたい。消防署といたしましても、根津さんに続くような方、1人でも多くの市民救命士を養成するため、引き続き応急手当て講習を実施してまいります」と話した。