巨人が投打ともに完敗を喫した。中日との3連戦初戦は先発田口麗斗投手(20)が6回途中5失点でKO。打線も中日エース大野の前に今季ワーストタイの3安打で6度目の完封負けを喫した。カード初戦は6連敗と、これでは波に乗れない。首位広島とのゲーム差は9に広がった。

 巨人が攻勢に出るヤマ場は1度も訪れることなく終わった。6月28日は50年に偉大なOB藤本英雄が史上初の完全試合を遂げた記念日。5回終了時には人文字で「PERFECT GAME」と浮かび上がった。だが2時間25分の短時間で「0-5」のスコアは、完全(パーフェクト)なる負け試合だった。

 4回までに先発田口が重い十字架を背負った。2、4回とともに3連打を浴びた。2球目以内のカウントを整えにいった球を狙われるケースが目立った。打たれた相手もナニータ、福田、堂上に8安打中6安打を集中された。高橋監督は「同じ打者に同じように打たれている」と検証と修正が見られないような投球内容に厳しかった。3年目の若き左腕だが安定感を買い、エース菅野とカード頭を任せるケースが多い。だがカード頭はチームで6連敗。指揮官は「カード頭というより、開幕ローテから任せているし、期待している。成長してほしい」と脱皮を求めた。

 今季72試合目でシーズンの折り返しとなる試合だった。試合前には老川オーナーが激励に訪れ、選手に訓示した。「全日程のちょうど真ん中。今日から新たなスタートという気分で頑張っていただきたい」。だが節目の一戦で2カ月連続の負け越しが決まった。同オーナーは「一生懸命やってくれたとは思うが、結果につながらなかった。完封負けは僕はこういう立場になって初めて(観戦した)。非常に残念でした」と振り返った。10連勝の広島とは9ゲーム差。セ・リーグの覇権争いの灯が消えつつある。【広重竜太郎】