日本ハム有原航平投手(23)が「頂上対決」を制し、チームを9年ぶりの13連勝に導いた。ロッテ戦で、防御率パ・リーグトップだった石川との投げ合い。8回を投げて3安打無失点に抑えた。防御率1・73でトップに立つとともに、勝ち数でもリーグトップタイの9勝目を挙げ、投手「2冠」。今日10日は、球団記録に並ぶ14連勝がかかる。弾みをつけて、先発予定の大谷翔平投手(22)にバトンを渡した。

 ウイニングショットは決めていた。この日唯一、得点圏に走者を背負った8回2死一、二塁のピンチ。有原はありったけの力を込めて、腕を振った。150キロのストレートを外角へ。代打の清田を右飛に仕留めた。「今日は真っすぐが走ってたので。1点もやらない気持ちで投げていました」。チームの連勝を13に伸ばし、お立ち台から後輩へ言った。「明日は翔平がやってくれる」。14連勝は球団タイ記録。節目を前に、再加速させた。

 3回は鈴木に左前打、7回は高浜に四球を与えて先頭打者の出塁を許した。ボールが先行する状況も多かったが、そこから冷静にピンチの芽をつみ取っていった。栗山監督は「困ったら原点投球。制球の能力も上がった。覚悟を決めて1球1球投げてくれた」。信頼は安定感抜群の投球の上に成り立っている。

 防御率1・73で、石川を抜いた。勝ち数も石川、楽天則本、ソフトバンク和田と並んで9勝。投手「2冠」だ。2月10日、アリゾナで迎えた今季初実戦登板。大谷を視察するためメジャー全30球団の関係者がネット裏に詰めかけていた。お目当てが降板し、スカウトが一斉に席を立ったときに、2番手でマウンドに上がったのが有原だった。初球は高めのストレート。ズラリと並んだ007は、浮かせた腰を、再びシートに預けた。ある関係者は「あの投手は何年目?」。日本の報道陣に逆取材を始めた。実力の高さは、すでに本場でも折り紙付きだ。

 後半戦もローテの大黒柱となる。「もっと勝ち星を伸ばせるように頑張りたいです」。大谷との2枚看板が、首位ソフトバンクを追うメインエンジンになる。【本間翼】

 ▼日本ハムが連勝を13に伸ばした。13連勝以上は07年日本ハムが球団記録の14連勝して以来となり、パ・リーグでは13度目、日本ハムは2度目になる。セ・リーグも含め、00年以降に13連勝以上は05年ソフトバンクと07、16年日本ハムしかやっていない。07年の日本ハムは先発投手が9勝、救援投手が5勝で14連勝したが、今回の13連勝は先発投手で11勝。連勝期間中、先発投手の防御率は1・99で、無失点の先発投手が7人もいる。