3度目の「FUKU METER」だった。8回先頭、ロッテ福浦は日本ハム榎下の外に浮いた140キロを逃さない。左越えに二塁打を放ち、お役御免。リードを3点に広げることに貢献した。今季2度目の3安打。本人は「たまたまですよ」と控えめだが、安打を放つたび、ビジョンに通算安打数が登場。球場を大いに沸かせた。2000安打まで、残り79本とした。

 猛暑でも、練習に手を抜かない。この日も「本当に暑いな」と真っ赤な顔で引き揚げた。元気な40歳だが、昨季は人生で味わったことのない痛みに襲われた。4月に尿管結石を患った。「縄跳びをしたら石が取れるって聞いたのに。全然、効かなかったよ」と今では笑い話だ。さらに、オフの人間ドックで胃にピロリ菌が判明。下痢とじんましんに苦しみながら約10日間、強力な抗生物質を飲んだ。先週の移動休みに胃カメラで再チェック。無事、除菌に成功し「胃がんになっちゃうからね」とひと安心だ。己の体と戦いながら、着実に節目へと歩んでいる。

 伊東監督は「経験値。チームを引っ張ってくれた」と最敬礼。福浦は「勝ちに貢献できるように」と言った。カード勝ち越しで、日本ハムと6ゲーム差。ベテランの力は大きい。【古川真弥】