中日は、9日に谷繁元信監督(45)を「休養」という名のシーズン途中解任に踏み切った。就任3年目、監督専任になって1年にも満たない電撃人事だった。歴史的低迷を招いた裏には何があったのか。3回にわたって検証する。

 谷繁監督とその右腕の佐伯コーチが去り、森監督代行が中心になった中日ベンチは開幕当初の緊張感が戻ったように映った。

 監督は一部コーチとの連係がとれなくなっていた。望んだ人材を入閣させられなかったことも原因だが、直近まで選手兼任だったのだからパイプに乏しいのも無理はない。スポーツの常であるように「監督は与えられた状況で全力を尽くすもの」と不安は胸にしまい、3年目に入った。

 ストレスはすぐにたまった。4月下旬、練習メニューをめぐって、あるコーチと衝突。亀裂は溝となった。思うように行動してくれないコーチ、スマホゲームや遅刻、いねむりをするコーチにも失望した。途中から、一枚岩は無理とあきらめたようにも見えた。また、成績低下とともにタクトが消極的になったことも求心力の低下を招いた。

 一緒に休養が宣告された佐伯コーチのほか、渡辺コーチが2軍へ。辻、早川両コーチが1軍に昇格した。4人の担当はいずれも守備がらみだが、チーム守備率は昨年を上回っている。他部門は問題なかっただろうか。昨オフ、現場とフロントが少しでも連係して組閣できていれば、結果は違っていたかもしれない。【中日担当=柏原誠】(つづく)