主砲が不振脱出弾を打ち上げた。DeNA筒香が1回2死一塁、中日小笠原の逆球の内角直球を一振りで仕留めた。試合開始直後の36号は、決勝2ランとなり「打てない悔しさはあったけど、イライラしたりストレスをためたりはなかった。試合に勝てたということが良かった」。一撃でチームの連敗を3で止めた。

 筒香のバットが勝敗の行方を左右している。前日まで3戦連続無安打でチームは3連敗。今季は無安打の30試合は5勝24敗1分けで、勝率1割7分2厘と成績が極端に低下する。「シーズンを戦っていく中でかみ合うときもあれば、そうでないときもある。かみ合わないときにどうするか。その気持ちを全員が持って戦っている」。不振に陥ったときの仕事が、最重要任務だと強く意識している。

 この先の20試合がペナントレースの潮目と見るラミレス監督も、主砲の1発に大きな価値を見いだした。「結果として今日も5安打しか打てなかった。それだけにチームにとっても筒香本人にとっても大きな1本になった」とたたえた。小休止は終わった。再び主砲が、チームを球団史上初のクライマックスシリーズ(CS)へと推進していく。【為田聡史】