逆転CSの切り込み隊長は北條!! 阪神金本知憲監督(48)が今日23日に始まる3位DeNAとの直接対決3連戦(横浜)のキーマンに、売り出し中の北條史也内野手(22)を挙げた。3・5ゲーム差に迫り、まずはクライマックスシリーズ(CS)圏内に進出したいところ。ベテラン鳥谷から遊撃の定位置を奪う勢いを示す若武者に、リードオフの役割を託す。

 飛ぶ「鳥」を落とす勢いの北條が、DeNA撃破の刺客になる。前日21日の巨人戦は延長10回に決勝打。意外にも巨人戦初打点だったが、勝負強い男になりつつある。

 今季の得点圏打率こそ1割9分7厘にとどまるが、遊撃先発時に打点を挙げれば7戦全勝だ。金本監督も「メンタル面で(自分を)乗せていかないと。(巨人戦をきっかけに)乗っていってほしい」と期待する。8月は月間打率3割5厘を記録し、良きデータにはあやかりたい。北條よ、自信たっぷりに振る舞え。指揮官からのメッセージだ。

 今日23日からは3・5ゲーム差で追うDeNAと激突。金本監督は「目の上の3位のチームなんで、なんとかたたきたい」と気合を込める。残り27試合。4位に位置し、CSが最大のテーマだが指揮官は冷静だ。

 「意識しないといけないとは思うけど、まず自分たちの野球をすること。メンバー各自が役割分担して力を発揮すること。(福留)孝介以外は誰1人満足いく成績を残してないと思う」

 さらに、CS狙いか問われると「それはちょっとまだ早い。1つでも上というのは、もちろんあるけど。目の前の試合を勝っていくだけ」と機先を制する。同じ受け答えをしたのが鳥谷に遊撃を譲らない北條だ。

 「CSというより、1試合を勝つことだけを考えます。この勢いでね。(21日の巨人戦は)接戦だったので勢いで勝ちにいきたい」

 横浜はプロ初本塁打を放った場所だが、そんな縁起も「あんまり、それは…」。過去より未来。前だけを見つめている。【酒井俊作】