男気(おとこぎ)の愛車も黄金色の泡まみれじゃ!? マジック4の広島が今日6日からマツダスタジアムで中日3連戦に臨む。2位巨人の結果次第だが、本拠地胴上げの可能性も十分で、祝勝会の準備も5日、本格化した。ビールかけに用意される本数は4800本。祝勝会会場を駐車スペースに利用する黒田博樹投手(41)も、愛車とともに至福の瞬間? を心待ち。25年ぶりの美酒を盛大に味わう舞台が整ってきた。

 最短Vは明日7日。広島は驚異的なペースでマジックを減らし、ゴールは目の前に迫ってきた。91年以来の優勝を彩る祝勝会も、25年ぶりの歓喜にふさわしいものとなりそうだ。関係者によると、ビールかけに用意されたビールは4800本という。昨季セ・リーグ覇者ヤクルトの1000本の4倍超。パVのソフトバンクもビールの本数は3000本だった。05年阪神、13年楽天の5000本に迫るものだ。

 会場はマツダスタジアム一塁側コンコース下にあるスペースだ。神宮での戦いを終えたナインは、この日が広島への移動日。主役となる選手の帰還と時を同じくして、この日から業者が会場設置の作業に取りかかった。快速マジック減らしに「思わぬスピードで(優勝が)近づいている。それにしっかり対応したい」(野平真広報室長)とうれしい悲鳴も上がる中、急ピッチで準備が進められている。前回Vを経験した球団職員は数人しかおらず、連日フル回転で舞台を整える。

 10日からは東京ドームでの巨人戦だけに、本拠地Vに選手の奮闘は欠かせない。今カードでの登板予定はない黒田は「地元で決められれば最高。明日(6日)からの3連戦で決めたいとみんな思っている」と、ナインの思いを代弁した。ちなみに、今回の祝勝会会場は、黒田が普段は愛車をとめるスペースでもある。「鈴木さん(球団本部長)から当日もとめるように言われた。(ビールかけが洗車代わりとなり)洗車しなくて済むからいいかもね」と舌も滑らかだった。

 天然芝のグラウンドでのビールかけが実施不可のため、前回V時のようにファンから見える場所での祝勝会ではないが、サプライズも準備。優勝決定後、球場内で緒方監督だけでなく、数選手がマイクを握る異例の「優勝会見」を行うことが決定。地元ファンと喜びを共有したい球団の意向だ。黒田の男気コメントや新井の男泣き、鈴木の決めセリフ「最高でーす!」が聞けるかもしれない。【前原淳】

 ◆広島前回優勝VTR 91年10月13日、阪神とのダブルヘッダー第2試合に1-0で勝利し、5年ぶりの6度目のリーグ優勝を決めた。胴上げ投手は8回から佐々岡をリリーフした大野。最後は古屋を三振に仕留め、捕手達川と抱き合った。就任3年目の山本監督は、胴上げで5回宙を舞った。

 試合終了から48分後、午後8時44分から始まったビールかけは、広島市民球場のグラウンドに30メートル大のシートを敷き、3万2000人の観客が見守る前で行われた。小早川は一塁側スタンドのファンに向けてビールをかけ、野村が右翼席のファンに向かって「万歳」の音頭を取るなど大はしゃぎ。用意された800本のビールは10分ほどでなくなり、川口、金石らはぬれたユニホームやアンダーシャツをスタンドに投げ入れるサービスぶりだった。