DeNAが“CS前哨戦”に完勝した。主砲の筒香嘉智外野手(24)が6回1死、巨人内海から2戦で3発目となる43号ソロと好調をキープ。2番梶谷も2戦連発の17号ソロ、3番ロペスにも4戦6発となる33号ソロが飛び出し、主軸が機能した。CS第1ステージで戦う巨人との2連戦で2戦連続の2ケタ安打、計9本塁打で畳み掛けた。5連勝で8月8日以来の勝率5割に復帰し、2位巨人と1・5ゲーム差に接近した。

 秋雨前線を吹き飛ばした。DeNA筒香の打棒がうなりを上げた。3点を追う6回1死。2ケタ10勝目がかかる巨人内海の前に立ちはだかった。カウント1-2からの4球目、内角ボールゾーンに沈むフォークを捉え、軽々と右翼席中段まで運んだ。反撃ムードを加速させる一打に「いつもと同じですが、どんな試合でも最後まで諦めないで戦っている。それが勝利につながった」。チームリーダーが自らのバットで逆転勝利を呼び込んだ。

 “ゴジラ”を超えた。巨人、ヤンキースなどでプレーした松井秀喜氏の25歳シーズンにマークした42号を1本上回った。前夜の2発に、この日も1発を加え、もはや主砲を止める手段は見当たらない。「今年は調子の波が少ない。毎日、変わりなく試合に臨めていることが、今の数字にもつながっていると思う」と実年齢以上の風格を醸し出す。

 主砲に導かれるように、打線も活性化した。2番梶谷、3番ロペスも固め打ちで“量産態勢”に突入。同点の7回には、5番宮崎が2死一、三塁の好機で、詰まりながらもしぶとく一塁線後方に落とす適時内野安打で決勝点をもぎ取った。筒香が敬遠されて打席に入った宮崎は「何とかしたい。それだけ。飛んだ場所が良かった。詰まり過ぎて指が痛かった」と3安打猛打賞の活躍で応えた。

 チーム全体が上り調子で5連勝&勝率5割復帰と曲線は上向きの一途をたどる。2位巨人との直接対決に2連勝し、CS本拠地開催の夢プランをつないだ。ラミレス監督は「どう始まるかよりも、どう終わるかが重要。東京ドームでも、横浜スタジアムでも、結果を出せたことはチームの自信になった」と大きくうなずいた。【為田聡史】