立大が９回の土壇場で逆転し、早大に先勝した。２－３の９回２死一、二塁で３番飯迫恵士内野手（２年＝神戸国際大付）が同点打を放ち、なお満塁の好機で笠松悠哉内野手（３年＝大阪桐蔭）が決勝の２点適時打を放った。前カードに続く劇的な勝ち方で、開幕３連勝を飾った。

　立大が、またミラクルを起こした。１点を追う９回。２死から同点に追い付き、一気に勝ち越した。劇的な勝利に、溝口智成監督（４８）は「もう、奇跡です。前回と同じで。僕は流れがなかなか来なかったように思って見ていましたが、ベンチはそうでなかった」と目を丸くした。開幕カードの法大２回戦では、８回に逆転満塁弾が飛び出た。今の立大には負けない雰囲気がある。

　１点ビハインドの８回からエース兼主将の沢田圭がマウンドへ上がった。０点でぴしゃりと抑えた主将の投球に、打線が奮起した。９回２死一、二塁で飯迫が同点の右前打。４番佐藤竜が敬遠気味の四球で歩かされた。満塁となり、笠松が燃えた。「なめんなと思った。気持ちで絶対打ってやる、見返してやると思った」。直球を振り抜き、意地の左前打で試合を決めた。

　エースには慶大・加藤拓也投手（４年＝慶応）と並ぶリーグ最多タイの通算２２勝目が転がり込んだ。既にプロ志望届を提出している沢田は「仲間を信じることで、投球にもいい影響が出ています。もう、捨て身です（笑い）。とにかく勝てて良かった」と安堵（あんど）した。９９年秋以来となる今世紀初優勝へ。立大が着実に歩を進めている。【和田美保】