中日は97年以来19年ぶりの最下位が決まった。ホーム最終戦で5位阪神に連敗し力なく沈んだ。球団80周年のシーズンに負け数が21年ぶりの「80」に達し、ファンの不満が噴出した。

 試合後のセレモニー。通例は監督だけが話すが、谷繁監督が「休養中」。当初、選手会長の大野だけがスピーチ予定だったが、球団内で議論した結果、まず佐々木球団社長がマイクの前に立つことになった。極めて異例のことだ。今季の戦いぶりや現体制について、球団内外に厳しい意見があることを印象付けた。

 社長が話し始めると、場内がざわつき始め、罵声が飛んだ。「谷繁監督の休養を受けて、シーズン終了後、後継監督はじめ新しい体制づくりにまい進します。これ以上ファンの皆さまに苦い思いをさせるわけにはまいりません」…。ここでヤジの音量が上がり、「本気でそう思ってんのか!」と怒声が上がった。

 セレモニー後には「2次会」と称して、人数限定で中日ファンがグラウンドに降りられるサービス。ファンは応援歌合唱などで楽しんだが、中には「谷繁監督ありがとう!」と連呼する人もいた。

 森監督代行は「いろんなファンの声も聞こえるが、いい方に返していかないと。弱くなるとこうなる。やる方も、やらせる方にも反省点はある」と厳しい表情だった。シーズン終了後早々に小笠原2軍監督の昇格が発表になる見込み。歴史的な「苦み」を味わったファンへの恩返しは簡単ではない。【柏原誠】