楽天が、国内FA権を保有する西武岸孝之(31)が権利行使した場合、最大限の大型契約で獲得交渉に臨む意向であることが27日までに分かった。

 球団関係者の話を総合すると、行使なら今オフの補強の最優先事項として動く態勢を整えているという。岸は13年、出来高払いの条件を満たせば最大12億円に達する3年契約を西武と結んだ。12月に32歳を迎える今季も、登板19試合で平均6・8イニング以上を投げるなど、先発として高い完投能力を維持。楽天は複数年にわたる活躍を見込み、同等以上の大型契約を用意しているとみられる。

 今季で3年契約が終了する岸は、現時点で自らの意向を一切明かしていない。残留が基本線も、行使なら複数球団が獲得に乗り出す可能性が高いだけに、楽天はその動向を注視してきた。チームは来季の飛躍に向け、則本とともに先発ローテの柱となれる投手の整備を重要課題に置いている。地元宮城出身では70年若生(阪神など)以来、史上2人目の通算100勝を達成した右腕は、球団が掲げる地域密着の方針にも合致。全ての可能性に備え、速やかに交渉へと臨める準備を進めていく。