巨人-広島戦の5回に広島菊池涼介内野手(26)が巨人田口の二ゴロをさばき、今季の補殺を523とした。

 歴代補殺3位の坂本文次郎氏(大映=三塁手)がもつ522補殺を抜き、目標としていた歴代3位独占を達成した。

 菊池は試合前まで139試合に出場し519補殺を記録。全ポジションに枠を広げた歴代補殺数ベスト3独占が目前に迫っていた。試合前には「残り2試合、しっかりさばいていきます。せっかくそういうチャンスが回ってきてくれたので。僕の補殺が増えることが、チームの勝利のためにもなると思うので」とひそかに狙っていた。この試合で2回無死一塁でギャレットの二ゴロをさばくと、3回無死からは田口の二ゴロをさばいた。4回にも小林の二ゴロをさばいていた。

 菊池は13年に当時の新記録となる528補殺を記録。翌14年にも535補殺を記録し、上位2位を独占。昨季は故障もあって数を落としたが、今季は上位3位独占を目標に掲げていた。打撃記録をまったく意識しない菊池も、補殺に関してだけは「1日4補殺」を目標に掲げてきた。「ワンツースリーにしたいです。いままでなかった新記録なので」と、昨季の契約更改の場から意気込んだ記録だった。

 類い希なる身体能力と、驚異的な守備範囲、そして抜群の肩の強さ。菊池は集中力が高まり「打つ瞬間から何も聞こえない」と言う極限状態でプレーする。「無のなかでひらめくことがある」と言う「感性」でスーパープレーが生まれる。当然のように難しい打球をさばく姿は、見る者を魅了する。有言実行の上位独占だった。