DeNA井納翔一投手(30)が6日、CSファーストステージ第1戦(8日・巨人戦=東京ドーム)の先発最有力候補に急浮上した。当初は2年目左腕の石田が有力視されていたが、練習試合の内容なども考慮した上で最終決定に至ったとみられる。2戦目以降は石田、今永の順で先発することが決定的となった。

 この日は、先発投手だけの練習だったが、ブルペン入りする投手はいなかった。シーズン中は、石田が登板2日前、井納は前日にブルペン入りする。現状の調整からは石田が、1戦目に先発する可能性は極めて低い。一方で、今日7日に井納がブルペン入りすることになればシーズン通りの調整で大一番に向かうことになる。井納は「言われたところで投げるだけ。全力でいく」とだけ話した。

 情報戦で優勢を奪った。巨人は5日の全体練習のシート打撃で、2軍から左投手を呼び寄せて登板させた。明らかに左腕対策に重点を置いていた。ラミレス監督は「まだ決めていない」と先発投手に関する質問には口を閉ざし続けてきた。徹底した情報管理で相手の調整をかく乱させた。

 データ上では当然の抜てきとも言える。今季、井納の東京ドームでの巨人戦は、2試合に先発し、1勝1敗。1完封で防御率1・72。角度ある速球とスライダー、フォークで巨人打線を封じ込めてきた。山口の代役で務めた開幕投手も勝利で飾り、大舞台での精神面も問題ない。井納が先勝で流れを引き寄せる。