阪神がサプライズ指名でドラフト会場を沸かせた。桜美林大・佐々木と創価大・田中が1位の本命だったが、野手の白鴎大・大山悠輔内野手(4年=つくば秀英)を単独指名。金本監督は「意外な歓声でしたね」といたずらっぽく笑い、1位決定は「今日ですね。お昼ぐらい。満場一致です」と一本釣り成功に満足顔だった。前日、1位が投手かと問われると「でしょうね」と佐々木と田中の2択を示唆。だがこの日の最終スカウト会議で再協議し、大転換したという。

 「基本は投手だったけど、チーム事情で野手で行こうと。投手には割と若いのがいるけど、若い世代のレギュラー格がいないんでね。うちはどっちが優先か。ウイークポイントは野手じゃないかということでね」

 大山は大学通算16発を誇り、大学侍ジャパンで4番も務めたスラッガー。阪神は39歳の福留が今季4番を務め、高山、原口、北條らは発展途上で、FAで獲得調査を続ける糸井も含めて、来季主軸を張れる日本人は未知数だ。四藤球団社長は「監督からそういう意見があった。あとはあうんの呼吸で」と指揮官の意向を尊重。「サードで中軸を打てるパワーヒッター。外野もできる」と賛同した。

 金本監督は「右の大砲候補。打撃がしなやかで強く、タイプ的にはヤクルトの山田選手に似ている。できるだけ早く、甲子園でバンバン暴れて欲しい」と即戦力を期待した。大山は「出られるなら、どこでもやります。阪神は若手を起用しているイメージ。チャンスをもらえたらアピールしてつかみ取りたい」と力を込めた。【松井清員】