ソフトバンク工藤公康監督(53)が2年連続で大仕事をやってのけた。創価大・田中正義を1位指名。5球団競合の末に、当たりくじを引いた。「ビックリしたのと、良かった思いで足が震えた。頭がパニクってます」。工藤監督はクジを引いた右手で、激しくガッツポーズ。超目玉右腕の指名に成功した。

 昨年は3球団競合の高橋純平を引き当てた。「ラッキーカラー」というブルーのネクタイで臨んだ。引く順番は、5人中2番目。箱を見ると、左に3枚重なっていた。「彼にとって、一番いい球団に当たってほしい」。昨年と同じように、祈りを込めて、一番上の封筒をつかんだ。王球団会長-秋山前監督から引き継ぐ「黄金の右手」が強運ぶりを発揮。昨年よりも高い倍率をかいくぐった。

 来季はV奪還が絶対的な目標になる。ドラフト戦略を即戦力路線に変更。「日本一の投手なので、行こうと決めた」と指揮官。来季の先発ローテ争いは激化の一途をたどりそうだ。武田や千賀、東浜ら若手の成長が著しい。工藤監督は「腕の振りよりもボールが速く感じる。開幕投手を目指すぐらいの気持ちで頑張ってほしい。それぐらいの力がある」。打倒日本ハム、そしてV奪還の使者が加わる。【田口真一郎】