虎党の皆さん! 僕が小野で~す! 阪神からドラフト2位指名された最速152キロ右腕の富士大・小野泰己(たいき、4年=折尾愛真)が、明治神宮大会(11月11日開幕)出場を決める東北地区代表決定戦の福島大戦に先発。阪神葛西スカウトが見守る中、7回4安打1失点の8奪三振と貫禄の投球を見せた。

 9月17日以来、約1カ月ぶりの公式戦登板。虎の2位指名の肩書を背負って初めてのマウンドだった。「いい状態に持ってこられた。真っすぐで押して変化球でタイミングをずらせた」と胸を張った。

 2回の相手5番打者の4球目には自己最速タイの152キロ、6球目も150キロをたたき出した。「球速は伸ばしたいけど、試合では意識しない。抑えるのが仕事」。130キロ台の決め球フォークに、120キロ台の鋭角スライダーがさえた。今夏からマスターしたスローカーブは最遅92キロを計測。緩急60キロ差で幻惑した。

 スタンドで見守った葛西スカウトの賛辞が止まらない。「要所でフォークを低めに投げられていた。リリースポイントも安定してるね」。課題に挙げていた投球テンポも「リズムが良くなっている」と絶賛。「体がしっかりしていけば、もっとスピードが出る。(同学年の)藤浪にアドバイスをもらって早く慣れて欲しいね」とエールを送った。

 指名後はLINEで約100通のお祝いの言葉が届き、ツイッターのフォロワーも一気に150人も増えた。だが小野に浮かれる様子はない。「甲子園で投げるイメージもしてない。今は神宮に行くのが最大の目標」。ぶれない男が、小野だ。【高橋洋平】