ペナントレース佳境の初戦は、どちらも是が非でも取りたい試合。その大一番は、阪神の完全なる勝利、巨人の力負けというはっきりした結果に終わった。この試合に限っては、敗因を探るような内容ではない。お互いが思い描いた戦い方をして勝負がついた、そんな試合だった。
いかに両先発が本来のスタイルを発揮したか、それはデータが示している。村上もハワードも、制球を武器に多球種を駆使してコーナーを突くピッチングが身上という同じタイプだ。そして、そのためには、ストライク先行が生命線になるのだが、村上は25打者に対して2球目までにストライクを奪ったのが24回あった。96%の精度だった。つまり2-0のバッティングカウントにしたのは1度だけ。いかに自身の力を実践したか、よく分かる。
そしてハワードも16打者のうち15打者に対して2球目までにストライクを奪っている。こちらも約94%。しっかり持ち味を発揮していた。こうなると、両先発のピッチングについて、打たれた要因を後付けで解説しても、意味合いは薄く感じる。
つまり、阪神は先発村上が求められるピッチングを実行して巨人打線を封じ込め、打線は本来のスタイルで挑んできたハワードをきっちり勝負どころで仕留めた。これに尽きる。
反対に巨人は、ハワードが打者と勝負する中で失点するが、打線が村上に完璧に仕留められてしまい、援護できなかった。完全なる力負け、初戦は完敗だったという分かりやすい決着となった。
村上は18日のヤクルト戦から中9日で満を持しての登板。本来ならば登板可能だった中日戦を飛ばしている。チームは中日に負け越したが、そこまでして、この巨人3連戦の頭を取りにきた。その意味合いを村上もよく理解していたことが、この日のマウンドから伝わってきた。一方のハワードも7月下旬に1軍再登録してから3勝1敗で、この大一番を迎えていた。
阪神は投打で巨人を圧倒して最高の形で初戦を取った。敗れた巨人からすれば、出ばなをくじかれたが、そんなことは言ってられない。再び2・5ゲーム差に広げられてしまったが、すぐに2戦目のプレーボールが迫る。
3連敗だけは絶対に回避しなければならない。力負けの余波を最小限にとどめるためにも、第2戦が極めて重要になった。(日刊スポーツ評論家)




