首位に立つ阪神の強さがよく表れた試合だった。投打で主力選手が自分の役割をしっかりと果たしている点で、だ。
初回に森下と大山、3回には中野が四球を選んだ。これは相手投手からもらったものではない。2ストライクまで取られた中で、大振りせずに見極めて、簡単には三振しない。相手に重圧をかけて、すべてフルカウントから勝ち取った四球だ。特に3回は中野の出塁から、主軸の3連打で得点を生み出した。打率、打点、本塁打、出塁率といった数字にも表れているが、阪神の選手1人1人が積み重ねてきたことが、大一番でできている。
先発した村上の投球も良かったが、それを引き出したのは坂本のリードだ。序盤は力のあるストレートを中心に、どんどん押した。打者との対戦が2巡目に入ってからは、緩急をつけた。カットボールではなく、スライダーを選択したり、うまく変化球を使った。打者の反応を見ながら、1巡目とは違う配球で凡打を打たせ、ピンチでは三振を取りにいった。村上と坂本の息のあった投球に、バッテリーの力を感じた。
守備にしても初回の大山、2回の元山と難しい当たりで普通に処理して、アウトに取っている。いずれも先頭打者でのプレーだったが、守りで村上を助けている。序盤からいいリズム、流れで試合を運べた。
昨年に優勝という経験を積み、レベルの高い選手たちが、しっかりとした考えを持って、試合に臨んでいるのがよく見える。勝てる野球をしているなというのが印象だ。首位攻防戦で巨人を力でねじ伏せたゲームだが、優勝が見えたかといえば、まだ早い。今季のCS争いは最下位まで可能性を残しており、下位チームのモチベーションは高い。優勝マジックが点灯したとしても、シーズン最終盤まで気の抜けない戦いが続くはずだ。




