プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念した「沢村賞」の選考委員会が24日、都内で開かれ、広島のクリス・ジョンソン投手(32)が選ばれた。

 選考会では該当者なしという意見も出たが、最終的には満場一致で広島ジョンソンが選出された。

 選考基準となる

 (1)15以上の勝利数

 (2)150以上の奪三振数

 (3)10以上の完投試合数

 (4)2・50以下の防御率

 (5)200イニング以上の投球回数

 (6)25以上の登板数

 (7)6割以上の勝率

 のうち、ジョンソンは(1)(4)(6)(7)の4項目しかクリアしていない。巨人菅野も(2)(4)(6)(7)の4項目をクリアしているが、2ケタに届かない9勝に終わっている。堀内恒夫選考委員長は「私と村田さんが該当者なし、他の3人がジョンソンを推した。ただ、我々も選ぶならジョンソンという意見で最終的に全会一致した」と説明した。外国人投手の獲得は64年の阪神バッキー以来。タイトルなしの獲得者は81年巨人西本以来となる。

 また、同委員長は「沢村賞は今年で70回目で1つの区切りにきている。本質的なところは変えないが、少し基準を見直す時期に来ていると思う」と話した。「完投、投球回数をクリアできる投手はいない。数字を変えることも考えるし、クオリティースタート(6回で自責点3以下)などの安定度を検討する」。全項目をクリアしての獲得は11年の楽天田中以来出ていない。今後は同委員長がたたき台を作成し、選考委員で検討していくという。

 ◆沢村賞選考委員(敬称略)堀内恒夫、平松政次、村田兆治、北別府学、山田久志