ソフトバンク森福允彦投手(30)が今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使する可能性が高まった。10月31日、FA有資格者が権利行使できる手続き期間がスタート。希少価値の高い変則投法の中継ぎ左腕がFA宣言すれば、救援陣の整備が必要な巨人などが調査を本格化させる構えだ。

 森福はFAの権利行使解禁日の手続きは行わなかったが、関係者の話を総合すれば節目の権利を行使する可能性が高い。10月24日の練習ではソフトバンクへの愛着を示しつつ「他のチームにどう評価されているか聞いてみたい」と話していた。今季は50試合で防御率2・00の好成績で、左サイドスローは球界でも少ない。獲得にあたり、年俸1億2000万円は補償の必要のないCランクとみられ、市場価値も高く、権利行使する状況も整っている。

 巨人は中継ぎ左腕が補強ポイントにもなっており、調査を本格化させることになりそうだ。9年連続60試合登板の山口が左のセットアッパーの大役を長年、担ってきたが勤続疲労もあり、今季は不振だった。戸根が2年連続40試合登板しているが安定感はまだない。巨人のチーム事情に森福は合致する存在だ。

 森福は昨季は防御率5・82と不振だったが、今季はワンポイントの役割で復活を遂げた。元来は1イニングを任された時期もあり、12年には17セーブと勝利の方程式の一翼を担った経験もある。変則左腕が新天地でのプレーを決断する可能性は十分にあり、動向が注視されている。

 ◆森福允彦(もりふく・まさひこ)1986年(昭61)7月29日、愛知県豊橋市生まれ。豊川高、シダックスを経て06年大学・社会人ドラフト4巡目でソフトバンクに入団。通算384試合で16勝14敗18セーブ125ホールド。13年WBC日本代表。172センチ、66キロ。左投げ左打ち。