「楽天ドラ2の法則」に乗って出世する。楽天からドラフト2位で指名された創価大・池田隆英投手(22)が9日、都内のホテルで入団交渉に臨み、契約金7000万円、年俸1200万円(ともに推定)で契約合意した。背番号は「30」。球団のドラフト2位投手は12年の則本を筆頭に活躍例が多数。大学同期で、ソフトバンク入りする田中正義投手(22)の存在も刺激に飛躍を誓った。

 今年も楽天右腕が2位から成り上がる。弱肉強食のプロへと飛び込む契約を済ませ、即戦力と期待される池田の両目がぎらついた。

 池田 ドラ1じゃなくて2位というところに意味がある。調子に乗らず、常に上のレベルを目指せということだと思います。同期の(田中)正義は、今は自分のはるか上の存在。対戦した時に投げ勝てるよう、力をつけていきたいです。

 貪欲に上を目指すメンタルが武器になる。創価高3年時に右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。長いリハビリ生活の末に大学4年で初勝利をつかみ、今秋の東京新大学リーグでは最多勝の4勝と最優秀防御率の0・83でベストナインにも輝いた。沖原担当スカウトは「大けがからはい上がってきた精神的な強さ。150キロ超えの直球に、緩急も使える。1年目から7~8勝はできる。10勝の力もある」と、苦難にも折れない強い心にほれ込んできた。

 球団には「ドラ2投手出世の法則」が存在する。12年則本を筆頭に、10年美馬、11年釜田。1位に負けない反骨精神で結果を刻み続けてきた。池田は則本に憧れを抱く。「疲れている場面でも思い切り腕を振って、チームを勝たせる。なぜそんなことができるのか。日頃どんな練習をしているか聞きたいです」と対面を心待ちにする。

 契約金の使い道を聞かれ、両親へのマンション購入と即答した。「経済的に厳しい中、ワガママを聞いて佐賀から東京に来させてもらった。大きい家に住ませてあげたい」。人一倍の感謝の心と向上心を携え、プロの世界に飛び込む。【松本岳志】