虎のミスターになってくれ! 阪神がドラフト1位の白鴎大・大山悠輔内野手(21)に背番号3を用意していることが22日、分かった。背番号3の三塁手といえば世紀の大スター、巨人長嶋茂雄があまりにも有名。阪神でも勝負強さで一時代を築いた長崎啓二(現慶一)、八木裕、関本賢太郎らが背負った神番号だ。金本監督が将来の4番と期待する大器。名実ともにミスターロードを歩みだす。

 その背番号には、明確なメッセージが込められているに違いない。虎のドラフト1位大山の背番号が、「3」に内定していることが判明した。背番号3の三塁手といえば、誰もが思い浮かべるのが伝説の大スター、巨人長嶋茂雄だろう。阪神の、いや球界のミスターになってくれ! 大きな期待を背に、サクセスロードに足を踏み入れる。

 10月20日のドラフト直後。指名あいさつに出向いた金本監督は大山に熱く訴えかけた。「タイガースの歴史に名を残す4番を目指してほしい。右の大砲になって、近い将来4番を任せられるようになってほしい」。未来の4番三塁を託したい男だからこそ、主砲を意味する番号を背負わせる。

 昨今、虎の背番号3は「代打の神様」の代名詞だった。勝負強さで名を売った長崎啓二の後は、低迷期も含めてチームを支え続けた八木裕、さらにファンから絶大な人気を誇った関本賢太郎がつけてきた“神番号”だ。16年の1年間は空き番号となっていたが、満を持して3番にふさわしいルーキーが現れた。

 指揮官はすでに大山の来春1軍沖縄キャンプ行きを確約。内野全ポジションに外野も守れるユーティリティーな守備力を踏まえ、まずは二遊間でポジション争いをさせる方針を明かしている。ただ、白鴎大ではホットコーナーを任される立場。背番号3の三塁手、大山を目にする瞬間が今から待ち遠しい。

 「金本監督のような強い体を身に付けて、何年も長くやっていきたいです」。そう誓っていた大砲候補。3番という重圧に押しつぶされるような男ではないだろう。大山が「虎のミスター」という名称を継承した時、阪神の大砲待望論は消滅していることだろう。

<阪神の背番号3列伝>

 ◆長崎啓二 85年大洋からトレード移籍。同年の西武との日本シリーズ第6戦で1回に満塁本塁打を放ち、球団初の日本一を決定的にした。

 ◆八木裕 チームの低迷期に右の大砲として活躍し、90年には自己最多の28本塁打。選手生活後半は代打の切り札に転身し、代打通算13本塁打、98打点はいずれも球団史上2位。

 ◆関本賢太郎 内野なら全ポジションを守れる器用さで、チームには欠かせない存在に。代打起用回数通算367度は球団5位。11年には先発4番も2試合。

 ◆その他 78年に「空白の1日」で巨人入りを図るも認められず、同年ドラフト1位で阪神に指名された江川卓(作新学院職員)も背番号「3」。入団直後に巨人小林繁と交換トレードされた。