阪神は延長戦の末に競り負けたが、長いリハビリ生活を乗り越えた下村海翔投手(24)が、1軍の舞台に立った。まずは阪神の先輩として「おめでとう」と祝福してあげたい。初登板をネット裏から見ていたが、追いつかれても、追い越されなかった。

制球力とキレで勝負するタイプで、これからもっと調子が上がってくるはずだ。阪神ベンチも下村を後押しする戦法をとった。1点リードの3回2死二塁、1番岡林の場面で外野陣を前進させたのは、通常のシチュエーションではあり得ない守備隊形と言えた。

外野の前進守備を考えると、二塁走者・石川昂が単打で本塁を突くのは難しかった。一方、下村は立ち上がりから球数がかさんでいた。ここは推測だが、序盤から「1点リードを守る」守備隊形をとったのは、リードしたまま、いい形で早めに下村をスイッチしたかったのではないだろうか。

結局、岡林には四球を許して一、二塁になったことで元に戻ったが、阪神ベンチの“配慮”がうかがえた。そして3回2死一、二塁、下村は2番福永を投ゴロで「0」に抑えた。2点リードの5回は同点にされたが、リードを許さなかったのは収穫だった。

またこれは交流戦から言えることだが、対戦チームは3番森下、4番佐藤の両方を抑えようとするのではなく、どちらかを四球で歩かせるケースが目立ってきた。その戦略は、この中日戦でもあった。今後は5番、6番で勝負されるパターンが増えてくるだろう。(日刊スポーツ評論家)

阪神対中日 1回裏阪神2死、先制本塁打を放ち、下村海翔(左)と抱き合う森下翔太(撮影・前田充)
阪神対中日 1回裏阪神2死、先制本塁打を放ち、下村海翔(左)と抱き合う森下翔太(撮影・前田充)