未来の大砲候補を覚醒させる。巨人高橋由伸監督(41)が、ウインターリーグが行われているプエルトリコに派遣中の岡本和真内野手(20)に外野手挑戦を本格化させる考えを示した。今季は1軍では3試合1安打も、2軍では打点王を獲得と潜在能力は高い。出場機会増を狙って今秋に本職の三塁の他に外野も守らせる構想が挙がっており、来季に本格化させる方針だ。高卒5年目に左翼に転向したDeNA筒香のように、高卒3年目の来季を飛躍の年にする。

 高橋監督は若きホープの覚醒プランを温めていた。プエルトリコで武者修行中の岡本について「一、三塁だけじゃない。レフトも(引き続き)やらせる」と、今秋に描いた外野挑戦の構想を来季は本格的に実行する方針を口にした。「もう3年目だからね。そろそろ出てきてほしい。打ってアピールするわけだから」。7日時点でウインターリーグ25試合に出場。守備位置は三塁、一塁、DHで、打率2割1分。守備が課題の岡本の負担を軽減し、打力を開花させる狙いがある。

 期待の大きさの表れだ。今季はオープン戦で積極的に三塁手として起用したがバットが鳴りを潜めた。1軍出場は3試合のみ。三塁の定位置は打率3割超で25本塁打と復活した村田が1年間死守した。加えて、4番候補で三塁が本職の元楽天のケーシー・マギー内野手(34=タイガース)が加入。三塁はハイレベルな競争が必至。岡本に少しでも経験を積ませるには、複数ポジションを守れることは大きなプラスになる。高橋監督は「打ってくれれば、あとはこっちが(守備位置や起用法は)考える。オープン戦でボカスカ打てば4番もないことはないよ」と期待した。

 大ブレークの足がかりになる可能性もある。日本球界を代表するスラッガーのDeNA筒香は、高卒5年目に三塁から左翼に挑戦。7年目の今季は本塁打と打点の2冠に輝くまでの進化を遂げた。同じく高卒ドラ1の岡本にとっても、外野挑戦は飛躍への転機になり得るかもしれない。

 20代のレギュラーを望む高橋監督は今秋、外野手の重信と立岡には二塁に挑戦させた。若手の能力を引き出そうと、柔軟な思考で鍛錬を課す。今オフに敢行する大型補強と生え抜き選手の育成を両輪に、盟主復活に突き進む。【浜本卓也】