中日吉見一起投手(32)が15日、オリックス中島に教えを請い、全盛時のフォークを取り戻すプランを明かした。来年1月に福岡・八女市でオリックス中島、楽天今江、女子ソフトボールの上野由岐子らと恒例の合同自主トレを予定。吉見は「中島さんと会話がしたい。右打者のフォークの見え方がどうなのか。外角と内角、どちらを攻めるのが有効なのか」。精度が落ちたというフォーク改善へ、足がかりを得るつもりだ。

 リーグが違うため、中島との公式戦対決は交流戦などに限られる。とはいえ、ローテ級投手が他球団の主力野手にヒントをもらうのは超異例だ。すべては完全復活を期す意気込みの表れと言える。「中島さんには経験と体験がある。ボールを見ているのは打者。どうフォークを使っていくべきか、参考になると思う」。

 12年まで5年連続2桁勝利を挙げていた当時は、外角低めのフォークが、決め球やカウントを整える重要な変化球だった。だが、右肘のケガや手術を経験した現在、甘く入った球を打ち返されることも多くなった。「やはり武器になるのは縦の変化。精度を上げるために聞きたい」。中島の他にも参加者には今江やロッテ荻野がいる。福岡ではブルペン投球も開始する予定で、打者目線を参考に、今オフ磨きをかける。

 昨年10月の右肘手術から復帰し、今季は21試合に登板して6勝(7敗)。来季は一層の勝ち星量産が期待される。そのためには、宝刀フォークの復活が絶対条件だ。もちろん交流戦や日本シリーズで対戦すれば、真剣勝負で打ち取って“恩返し”する。メジャーも渡り歩いたライバルに知恵を借り、5年ぶりの2桁勝利を目指す。【宮崎えり子】

<所属球団の違う選手同士の合同自主トレ>

 ◆広島前田、阪神藤浪ら 14年オフに藤浪が熱望。15年1月に東京都内で実現し、前田は藤浪に「キャッチボールのときから力を抜け。いい球と悪い球の違いがなくなる」などと助言を送った。

 ◆阪神西岡、日本ハム中田ら ともに大阪桐蔭の卒業生。15年1月にハワイへ出掛けた。管理栄養士を同行させて、1日3度の食事を徹底管理。

 ◆レンジャーズ・ダルビッシュ、楽天田中ら 12年1月、宮崎県内で汗。ダルビッシュが主導したサーキット、ウエート重視のメニューを、田中が必死でこなした。