あぶない育成新人現る!? オリックスの新人選手入団会見が18日、大阪市内で行われ、支配下9人と育成5人の計14人が出席。育成4位のBCリーグ石川・坂本一将内野手(26)は、俳優の柴田恭兵(65)が古くからの知人でプロ入り前に激励された。身長162センチは現役で最も小さい選手となるが、“関係ないね”とばかりに早期の支配下登録を勝ち取るつもりだ。

 プロ入りという長年の夢をかなえた坂本が、意外なつながりを明かした。柴田といえば映画化もされた主演ドラマ「あぶない刑事」などの代表作がある大物俳優。坂本は「恭兵さん」と呼び、父のように慕っている。「先週も会いましたよ。ドラフト指名されて電話で連絡はしましたけど、あいさつに行けてなかったので」。柴田からは「良かったね。プロ入りの前にちゃんと敬語を覚えろよ」と激励されたという。

 実父の貢(みつぐ)さんと柴田が草野球のチームメートだった縁で、坂本も子供のころから知り合い。「1年に1回は絶対に会います。キャッチボールもやりますよ。甲子園に出た時とか、節目で花を贈ってくれたりしました」。貢さんは高2の5月に57歳で心不全で急死。かなり落ち込んだが、柴田の励ましも支えになった。

 柴田と言えば缶コーヒーのCMでも使われた「関係ないね」のせりふが有名。坂本にとっては162センチの身長や26歳という年齢のハンディも“関係ないね”と言いたいところ。「周りより頭1つ、2つ小さいことが当たり前。その中で生き残った経験と生命力で頑張りたい。年齢も年齢だし、ショート、サード、セカンド、外野、代走、バント…。すべてできるようになって、監督が『1人いたらいいな』と思うような選手になりたい」。

 本職は二遊間だが、ドラフト指名された時に備えて三塁や外野も個人特訓してきた。50メートル5秒8の足と、粘り強い打撃が売り。早く1軍デビューを果たし「恭兵さん」にも喜びの報告がしたい。【大池和幸】

 ◆坂本一将(さかもと・かずまさ)1990年(平2)11月16日、東京都生まれ。6歳から「武蔵府中リトル」で野球を始める。浦和学院で2、3年の夏に甲子園出場。東洋大からセガサミーを経て、BCリーグ石川へ。162センチ、65キロ。右投げ左打ち。

 ◆小柄選手 オリックス育成4位の坂本は身長162センチ。育成選手を含めて16年シーズンで最も身長が低かったのは西武水口とDeNA内村(今オフに戦力外)の163センチ。新入団選手でも162センチ以下の選手はおらず、来季は坂本が最も小柄な選手となる。