甲子園名物、パチパチ投法や! 阪神ドラフト3位の才木浩人投手(18=須磨翔風)が鳴尾浜で行われた新人合同自主トレで柔軟性を生かした投法を披露した。練習序盤のキャッチボール。18歳右腕が独特の音を鳴らした。188センチの長身から体に巻き付くように右腕をしならせてパチンッ! さらにもう1度投げてパチンッ! 実はこれが調子のバロメーターだった。

 「腕が(左脇に)当たっていい音が鳴ると、腕が振れているということです。調子いいほど腕が鳴る。たたくので試合の時なんかは赤くなったりしますね」

 大阪名物「パチパチパンチ」ならぬ「パチパチ投法」は、柔軟性によって生まれた。しまったしまった島倉千代子ではなく、開いた開いた両脚!? 才木は幼少期から体が柔らかく、前後、左右への180度開脚は朝飯前。特に肩甲骨周りが柔軟で、背中の上部がかゆいときも下から右手をぐるりと回してかく方が「楽です」と笑う。体のどこかがかゆくても、困った困ったこまどり姉妹とはならないようだ。

 6日の入寮の際には「スポーツトレーニングの基礎理論」や「筋肉のしくみ・はたらき事典」など、骨格図、筋肉の部位などを細かく記した専門書を自室に持ち込んだ。研究熱心な18歳は「一流投手の動きを動画とかで見るのは参考になる。フォームが(マリナーズの)岩隈さんに似ていると言われたことがあります」とうれしそうに笑みを浮かべた。聖地甲子園でパチン、パチンと音を響かせるべく、練習に励む。【桝井聡】