メジャー通算555本塁打の大物、マニー・ラミレス外野手(44)が、掛布雅之2軍監督(61)率いる阪神2軍と激突する可能性が出てきた。ラミレスが独立リーグの四国アイランドリーグ(IL)plus高知に入団することが電撃決定。米フロリダ州サンライズで高知関係者との交渉がまとまり正式契約を交わした。阪神2軍は四国ILの球団と年に数度、練習試合を行っている。掛布阪神が超大物スラッガーと真剣勝負に挑むかも知れない。

 超大物を迎えるのは、鳴尾浜か甲子園か。メジャー通算555発男とタテジマ軍団の激突が実現するかも知れない。日本時間9日に、ラミレスの高知入りが電撃的に決定。約1時間半の交渉を終え、黒と赤の高知のユニホームに袖を通したラミレスは、満面に笑みを浮かべ、写真撮影に応じた。「できるだけ早く日本へ行きたい。早くプレーがしたいんだ」。グラウンドに立ちたいという野球少年のような純粋な思いが、日本行きを決断した最大の要因だった。

 四国ILでのプレーの先には、NPB球団との対戦も待っている。高知に限らず、同リーグの球団と阪神2軍は2月キャンプ中からシーズンにかけ、練習試合を行うなど交流が深い。ウエスタン・リーグが5球団で運営されていることもあり、公式戦が組めない期間が少なからずあるからだ。今シーズンの日程は未定だが、球界関係者は「高知さんと阪神2軍などNPB球団が練習試合をすれば当然、ラミレスも出場するでしょう」と見通す。

 就任以来、ファンの注目を重視して指導にあたる掛布2軍監督にとっても、願ってもない実戦舞台となる。主戦投手への成長が期待される2年目の竹安は「ワールドチャンピオンとかになっていたすごい選手。もし対戦できるなら、楽しみ。まず自分のことをしっかりしないといけない」とさっそく反応した。

 交渉前には、高知関係者が見守る中、ケージ内で打撃練習を披露した。メジャーでは2011年(レイズ)、マイナーを含めても14年(カブス)以来、実戦から離れているものの、44歳となった現在も引き締まった体の状態は「100%に近い」と笑う。フォームを確認しながら、約1時間にわたって打ち込む姿は、練習熱心で知られた全盛期と同じだった。

 背番号は、ドジャースなどで着けた「99」に内定。今後は、ビザ取得などの手続きが済み次第、3月上旬にも来日し、チームに合流する見込みだ。掛布阪神が高知・安芸に滞在する2月キャンプ中の対決は現実的ではないが、シーズン中にも、ドレッドヘアの大砲とタテジマが同じグラウンドで向き合う可能性が出てきた。

 ◆四国IL球団VS阪神 高知は例年、阪神2軍と2月中に安芸で練習試合を行う。昨年は2月22日に対戦し、阪神の新人高山が1番左翼でスタメン出場し3安打と話題を集めた。昨季はほかにも香川が3月23日に鳴尾浜で練習試合を行っている。また「定期交流戦」として4球団がソフトバンク3軍と計32試合を行うなど、NPB球団と対戦している。