新人よ、豪快に育たんかい!! 阪神の川藤幸三OB会長(67)が14日、甲子園室内での新人合同自主トレを視察し、ドラフト1位の大山悠輔内野手(22=白鴎大)らルーキー勢に「荒ぶる訓示」をした。

 野手陣が練習後、視察していた川藤OB会長にあいさつすると強烈な浪花節を食らった。「お前ら、酒は飲めるんか? 1升飲めるんか?」。不意打ちの問いかけに、ルーキーはタジタジ。川藤会長から視線を向けられた7位の長坂拳弥捕手(22=東北福祉大)が「飲めます!」と言い切ると、矛先はドラフト1位に向いた。

 「大山、お前はどうなんや?」。大山が「少しです」と苦笑いしながら答えると、川藤会長も「プロに入ったら、酒くらい飲めるようになれ!」と大きくうなずいた。

 隣にいた佐野仙好統括スカウトが「OB会長、何、言ってるんですか」と笑いながら、たしなめても真顔で言う。「そんなもん、関係あるか! 自分の好きなようにやったらええんや!!」と怪気炎で寒気を吹っ飛ばした。

 直前に新人の練習を見ていた川藤会長は「プロに入って、どれだけ体を大きくできるかや。ワシは大きくならんかった。態度だけ大きかった」と話していた。小さくまとまるな。ずぶとく生き抜けという、川藤流のエール。大山は「関東にいるときは、あのような感じで接してくれる方はいなかった。これが関西なのかなという気がします。自分はどれくらい飲めるか分からない。野球第一で考えたとき、なかなかそういう機会はなかった」と感心したように振り返った。【酒井俊作】