3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)代表の有力候補として、オリックス平野佳寿投手(32)が浮上していることが17日、分かった。経験豊富な右のパワーピッチャーで、ゲーム終盤の要所に欠かせない戦力として評価が高いとみられる。登録メンバー28人は今月下旬に発表。いよいよ侍ジャパンが船出する。

 「28人目の侍」として、オリックス平野が浮上してきた。強い直球とフォークボールで相手を制する、本格派の中継ぎ投手。制球力に優れ自滅の心配もなく、国際試合で活躍するための条件を兼ね備えている。13人で構成する投手陣は、昨年12月に1次メンバー7人を発表。今月下旬の発表を目指して調整を進めている。陣容を見渡すと、平野の存在が自然とクローズアップされる。

 1次メンバーには、中継ぎの専門職として秋吉と宮西がいる。牧田、増井、千賀もショートイニングの経験が豊富だが、先発としての高い適性も示しており、起用の柔軟性が高い。最終メンバー入りが確実視される他の中継ぎ投手としては、中日岡田、楽天松井裕が挙がる。秋吉は右の変則で、宮西、岡田、松井裕は左腕。現状のブルペンには、右の専門職、パワー型が不足している。その候補としては、平野の他にマーリンズ田沢、巨人沢村がおり、最終発表で割って入る可能性はある。しかし、平野の評価は相対的に頭ひとつ抜けているとみられる。

 田沢は出場に意欲的とされるものの、今季がマーリンズに移籍の初年度で、環境への対応が必要な事情がある。スケジュール管理などマ軍側との十分な話し合いが必要で、出場へのハードルは当初から高い。球界関係者の話を総合すると、現時点では不参加の可能性が極めて高い。

 セ・リーグの昨季セーブ王である沢村は、第3回WBC、2年前のプレミア12に選出されている侍ジャパンの常連。しかし、連投を強いられた昨シーズン終盤はボール先行の場面が目立った。平野は、昨季途中から抑えに転じたにもかかわらず31セーブを挙げ、防御率も1・92と安定感が際立つ。メンバー入りを果たせば、セ・パ12球団から選手が集結することにもなる。日本が誇る投手力を束ね世界一に挑む。