何ともしんどい試合だ。今季、常に最下位を争っている中日を相手に連敗したのはもちろん、内容がよくない。相手投手マラーに今季2被弾目を含む6失点。そして打線は3試合連続0封負けだ。

あんなに打ってきた森下翔太、佐藤輝明をはじめ、みなが沈黙しているようだ。巨人もDeNAに連敗してモタついてはいるものの楽観はできない。悲願のリーグ連覇へ向け、ピンチなのは間違いないのだ。

どないしたらエエんや。そう頭を抱えている虎党もいるかもしれない。そこでエラそうなことを言うつもりはないが、少しだけ思うのはこういうときこそアレでは? ということだ。優勝を“アレ”と言って名前を売った前監督・岡田彰布(オーナー付顧問)が強調していたこと、つまり「四球」の重要さである。

「そんなん、いっつもいっつもヒットとか打てんよ、そら。打てんかったら選べよ。そんなん。1試合で4打席あってな、1個四球選んで、1本ヒット打ったら3割なんやで」

意外に、と書くと叱られそうだが岡田は昔から理論派だ。野球にも真摯(しんし)に向き合ってきた。だからこそそういう話をよくしたものだ。口だけでなく、自身が2度目の監督に就任した際には年俸に関係する査定の面で四球を安打と同じレベルに引き上げた。それが奏功し、23年にはリーグ制覇どころか球団2度目の日本一に輝いたのは記憶に新しい。

そして今季だ。リーグ最多ではないが阪神の四球数は多い。今季126試合目のこのゲームを終え、375個。1試合平均、約3個は選んでいる計算になる。それが、この6連敗中は申告敬遠を含んでも8個。1試合で1つ選ぶのがやっとという計算だ。

熱心な虎党なら分かっているだろう。この連敗中、強引に振って空振り、内野ゴロという場面が多い。マラーに関してはタイプ的に早い仕掛けが必要だったと思うが、それまでも同じような感じなのである。

この試合で盛り上がったのは7回だ。1死二、三塁にし、結果的に無得点だったが、ようやく三塁ベースを踏んだ場面。そのシーンは佐藤が選んだ四球からつながったものだ。積極的に打っていくことが必ずしもよくないわけではないけれど、こういうときこそアレを思い出し、じっくり攻めるのも1つの手では…という気はしている。(敬称略)

岡田彰布オーナー付顧問(2026年7月撮影)
岡田彰布オーナー付顧問(2026年7月撮影)
阪神対中日 9回裏阪神1死、森下翔太(手前)は遊ゴロに倒れベンチに引き揚げる(撮影・上山淳一)
阪神対中日 9回裏阪神1死、森下翔太(手前)は遊ゴロに倒れベンチに引き揚げる(撮影・上山淳一)