日本ハムドラフト8位のルーキー右腕、玉井大翔投手(24=新日鉄住金かずさマジック)が、「ホタテマン」に変身して、故郷をアピールする。18日、2軍施設の千葉・鎌ケ谷での新人合同自主トレに参加した。出身地佐呂間町の名産、ホタテのマークの刺しゅうをグラブに施すプランに前向きだ。自身の活躍で、オホーツク海のそばにある小さな町の知名度アップにもつなげていく。

 今年のチーム最年長ルーキー右腕、玉井は地元愛にあふれている。鎌ケ谷での新人合同自主トレ。グラブに入れる刺しゅうの話題となった時だ。選手は思い思いのメッセージやマークを施している。玉井は現在使用するグラブには「為せば成る」と刻んでいるが、「ホタテ(のマーク)って入れられるんですかね? 入れられるなら、入れてみたいです」。佐呂間町の名産、ホタテ。故郷のアピールに意欲を見せる。

 ホタテと言えば…、80年代に放送されたテレビのバラエティー番組「オレたちひょうきん族」でタレントの故安岡力也氏が扮(ふん)したキャラクター「ホタテマン」。ホタテの着ぐるみ姿で暴れるのが定番だった。83年にレコード「ホタテのロックンロール」が発売されたほどの人気を集め、同氏が渋い声で「ホタテをなめるなよ」と歌い上げた。玉井も、「なめるなよ」とばかりに強気な投球で活躍すれば、第2の「ホタテマン」を襲名することになるかもしれない。

 先輩も地元愛を原動力にした。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表メンバーに選ばれている増井は出身の静岡・焼津市にちなみ、グラブにマグロの刺しゅうを入れたことがある。玉井は佐呂間町初のプロ野球選手。「町の人も喜んでくれている」と、感謝の気持ちを届けたい思いは強い。

 この日は3日ぶり2度目のブルペン入りで、前回から10球増やし40球、捕手を立たせて投げ込んだ。「力を入れようとすると、体が開いてしまった」と納得投球ではなかったが「これから徐々に」と、焦らない。玉井がホタテマンさながらに大暴れするのは、マウンドの上だ。【保坂果那】

 ◆佐呂間町とホタテ 北海道内最大で日本でも3番目の面積を誇るサロマ湖は、ホタテ養殖の発祥の地として有名。16年1~12月の佐呂間漁協のホタテ漁獲量は天然と養殖合わせて約6600トンだった。漁協担当者によると「11月ごろが旬。食感も身が引き締まって、おいしい」。同町のイメージキャラクターでカボチャをモチーフにした「モモちゃん」は、左手にホタテの形の帽子を持っている。